臨床工学技士の職務経歴書の書き方と成功事例

職務経歴書は、臨床工学技士としてこれまでどのような経験を積み、どのようなスキルを持っているのかを採用担当者に伝える重要な書類です。
履歴書が経歴を簡潔に示す「名刺」のような役割だとすれば、職務経歴書は「自己PR付きの業務レポート」にあたります。
採用担当者は、この書類から応募者の専門性や即戦力性、職場での適応力を判断します。
ここでは、臨床工学技士が書類選考を突破するための職務経歴書の書き方と、実際の成功事例を交えて解説します。


職務経歴書の基本構成

職務経歴書には明確な書式はありませんが、読みやすさと情報の整理が重要です。
臨床工学技士の場合、次の構成が基本となります。

  1. 職務要約
    経歴の全体像を3〜5行で簡潔にまとめる部分です。
    「透析室での血液透析管理を中心に、年間〇件の症例を担当」「集中治療室で人工呼吸器やECMO管理の経験あり」など、得意分野と経験年数を明記します。
  2. 職務経歴詳細
    勤務先ごとに、勤務期間、施設概要(病床数・診療科)、担当部署、具体的な業務内容、使用機器、実績などを記載します。
  3. 保有資格・スキル
    臨床工学技士免許はもちろん、認定資格や研修修了歴、使用可能な機器やシステムを挙げます。
  4. 自己PR
    強みや成果、チーム医療での役割などをまとめます。
    具体的なエピソードを交えることで説得力が増します。

読みやすさを意識した職務経歴詳細の書き方

職務経歴は「施設情報」「担当業務」「成果」の3つを意識して書きます。
ただし文章を長く書きすぎると読みづらくなるため、箇条書きを活用しましょう。

例:

〇〇病院(300床/透析室・ICU担当)
勤務期間:2018年4月〜2023年3月
【業務内容】

  • 血液透析(1日〇名、月〇件)における装置の操作・保守点検
  • 人工呼吸器、ECMO、補助循環装置の操作・保守
  • 機器トラブル発生時の緊急対応
  • 新人技士へのOJT指導(年間〇名)
    【使用機器】
  • 透析装置:〇〇社〇〇型
  • 人工呼吸器:〇〇型、〇〇型
  • ECMO装置:〇〇型
    【成果】
  • 機器トラブル対応時間を平均△分短縮
  • 新人教育マニュアルの作成・運用

こうした書き方は、採用担当者が経験やスキルを瞬時に把握しやすく、評価につながります。


数字と具体例で実績を示す

採用担当者は、抽象的な表現よりも具体的な数字や事例に注目します。
例えば「多くの透析患者を担当」よりも、「1日20名、年間約4,800件の透析管理を担当」としたほうが、業務量や経験値が明確になります。

また、成果や改善事例は、問題点と改善方法、結果をセットで書くと説得力が増します。
例:「透析装置のメンテナンス方法を見直し、故障率を年間30%減少させた」など。


自己PRは専門性と人間性の両方を盛り込む

臨床工学技士は専門的な機器操作だけでなく、患者対応やチーム医療での連携も重要です。
自己PRでは、専門スキルに加え、コミュニケーション能力や教育力もアピールしましょう。

例:
「透析業務を中心に、患者さんへの説明や対応にも力を入れてきました。患者さんの不安を軽減し、安心して治療を受けてもらえるよう傾聴を心がけています。新人指導では、理解度に応じた段階的な教育を行い、即戦力化をサポートしました。」


成功事例:書類選考通過につながった職務経歴書の一部

職務要約
「透析室および集中治療室で5年間勤務。血液透析業務、人工呼吸器・ECMO管理の経験を持ち、機器トラブル対応力と新人教育の実績があります。」

職務経歴詳細(抜粋)

  • 血液透析業務(1日18〜20名担当)、装置保守点検、透析液品質管理
  • ICUにて人工呼吸器・ECMO管理、緊急対応
  • 新人技士3名の教育担当としてOJTを実施
  • 透析装置の点検方法改善により、トラブル発生件数を前年比25%削減

保有資格

  • 臨床工学技士免許
  • 認定血液浄化関連専門臨床工学技士
  • 医療安全管理者研修修了

自己PR
「透析・集中治療分野で培った機器管理能力と、緊急時の冷静な判断力が強みです。チーム医療を意識した円滑なコミュニケーションを心がけ、職場全体の安全・効率向上に貢献してきました。」

このように、具体的な経験・成果・数字を盛り込むことで、採用担当者が「即戦力として働けそう」と判断しやすくなります。


最後に全体のチェックを怠らない

職務経歴書は専門性を伝えると同時に、ビジネス文書としての完成度も求められます。
誤字脱字、時系列の不一致、レイアウトの乱れは評価を下げる原因になります。
印刷前には必ず全体を見直し、第三者に読んでもらうのも効果的です。


まとめ

臨床工学技士の職務経歴書は、経歴やスキルを正確かつ具体的に示し、採用担当者が「この人に会いたい」と思える内容にすることが重要です。
職務要約で全体像を簡潔に伝え、職務経歴詳細で具体的な業務内容や成果を数字で示し、自己PRで専門性と人間性をバランス良くアピールする。
この流れを押さえれば、書類選考通過率は確実に高まります。

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