建設業界の中でも、施工管理職は現場の要として高い専門性が求められる職種です。
その分、責任も大きく、他の技術職に比べて平均年収も高い傾向があります。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2024年)」によると、施工管理職の平均年収は以下の通りです。
- 全体平均:約630万円
- 30代前半:450万〜550万円
- 40代前半:600万〜750万円
- 50代以上:700万〜900万円
特に、一級施工管理技士の資格保有者は年収が大きく上がり、平均で700万〜850万円前後が相場です。
資格手当として月2〜5万円支給されるケースが多く、資格がキャリアと収入に直結する職種だといえます。
また、ゼネコンやプラント企業など、請け負う案件規模が大きい会社ほど年収水準も高くなります。
次項では、施工管理で“稼げる”企業をランキング形式で紹介します。
施工管理で稼げる企業ランキング(2025年版)
以下は、有価証券報告書や転職サイト(OpenWork・転職会議など)の公開データをもとにした施工管理職の推定年収ランキングです。
※各社の施工管理部門・技術系社員の平均値を基準としています。
第1位:清水建設(平均年収 約940万円)
国内有数のスーパーゼネコンで、給与水準は業界トップクラス。
現場代理人・所長クラスになると1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
特にBIM/CIM対応や海外プロジェクトに携わる社員の待遇が高く、キャリア志向の施工管理者に人気です。
第2位:大成建設(平均年収 約920万円)
大手ゼネコンの中でも安定した業績と福利厚生の手厚さで知られています。
残業代がしっかり支払われる仕組みが整っており、成果主義よりも勤続年数・技術力が評価される環境です。
施工管理の平均年齢も高く、ベテラン技術者が長く働ける会社です。
第3位:鹿島建設(平均年収 約900万円)
海外案件や大型インフラ工事を多数手がける日本を代表するゼネコン。
管理職クラスになると年収1,200万円を超えることも。
技術力重視の社風で、施工管理職が中心となってプロジェクトを推進するため、やりがいも大きい企業です。
第4位:竹中工務店(平均年収 約880万円)
民間施設(商業施設・オフィスビル・学校など)の設計施工を強みとするゼネコン。
設計部門との連携が密で、BIM導入などデジタル化にも積極的。
完全週休2日制を導入しており、給与だけでなく働き方の満足度も高い会社です。
第5位:大林組(平均年収 約870万円)
海外拠点も多く、グローバル案件に携われるチャンスが豊富。
20代後半でも年収600万円前後、30代で800万円に届くなど昇給スピードが早いのが特徴です。
ただし、大規模現場の責任も重く、仕事量はハードめという声もあります。
第6位:前田建設工業(平均年収 約780万円)
中堅ゼネコンながら給与水準は高く、若手のうちから現場を任せてもらえる環境です。
土木・トンネル・プラントなど幅広い分野に携われるため、スキルアップ志向の技術者に人気があります。
第7位:長谷工コーポレーション(平均年収 約750万円)
マンション建設に特化した大手企業で、景気に左右されにくい安定基盤が魅力。
自社ブランドマンションの施工管理が中心で、スケジュールが読みやすくワークライフバランスも取りやすい環境です。
第8位:西松建設(平均年収 約720万円)
近年、労働環境の改善に力を入れており、週休2日制・残業削減などが進んでいます。
現場の安全第一を掲げ、現場管理の質を重視する会社として高い評価を得ています。
第9位:五洋建設(平均年収 約700万円)
港湾・海洋土木の分野に強く、海外プロジェクトも多数。
専門性の高い技術者は非常に重宝されるため、スキル次第では高収入が狙えます。
施工管理の海外手当が厚いことも魅力の一つです。
第10位:戸田建設(平均年収 約680万円)
医療施設や学校など、公共・民間問わず幅広い分野で安定した受注を維持。
現場の働き方改革にも積極的で、若手施工管理者が定着しやすい職場として知られています。
年収を上げるための3つのポイント
施工管理職で高収入を目指すには、勤務先選びだけでなく、自分のスキルアップも欠かせません。
以下の3つを意識すると、年収を効率的に上げることができます。
① 国家資格の取得(特に一級施工管理技士)
資格を取るだけで月2〜5万円の手当が付く企業が多く、長期的に見て収入差は大きくなります。
また、監理技術者として配置できるようになるため、昇進・昇給にも直結します。
② 大規模案件・元請け企業への転職
元請け(ゼネコン)の施工管理は、下請けよりも年収が高い傾向があります。
特に大手企業やプラント業界は、現場手当や出張手当などの付加収入も多いです。
③ 転職エージェントで非公開求人を探す
施工管理の高年収求人は、一般の転職サイトに出ない“非公開求人”として扱われることが多いです。
建設専門のエージェントを利用すれば、年収800万以上の案件も見つかりやすくなります。
施工管理職の将来性とキャリアパス
施工管理は、人手不足が続く中で今後10年以上安定した需要が続く職種です。
インフラ再整備・都市再開発・老朽化建物の改修など、社会的に必要な仕事であるため、AIや機械に置き換えられる心配もほとんどありません。
さらに、経験を積むことで
- 現場所長
- 工事部長
- 品質・安全管理責任者
- 発注者支援業務(官公庁)
といったキャリアパスも描けます。
特に発注者支援業務では、60代でも年収600万円台を維持できるケースが多く、「一生働ける技術職」として人気です。
まとめ:施工管理は“努力が報われる”仕事
施工管理職の平均年収は他業種よりも高く、資格や実績を積むことで年収1,000万円も現実的に目指せる職種です。
ただし、企業によって待遇や労働環境には差があるため、「給与」「休み」「案件内容」のバランスを見極めることが大切です。
- 平均年収は約630万円
- 大手ゼネコンでは900万円超も可能
- 一級施工管理技士で年収+100万円以上の差がつく
転職を検討する際は、建設業界専門のエージェントを活用し、自分の経験を最大限に評価してくれる企業を選びましょう。
努力と実績が正当に報われる環境を選ぶことこそが、施工管理として“稼げるキャリア”を築く第一歩です。
